
こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作
秋の夜空に、
まあるい月が浮かぶと、
なんだか心まで静かになる。
そんな月を眺めながら、
こまちちゃんとめいたくんは、
今年の「中秋の名月」について話していました。
「十五夜って、満月の日なんだよね?」
こまちちゃんがそう尋ねると、
めいたくんは夜空を見上げながら答えます。
「実は、そうとは限らないんだって」
調べてみると、
2026年の中秋の名月は9月25日。
そして、満月になるのは9月27日です。
たった2日の違い。
けれど、その小さな違いから、
こまちちゃんは大切なことに気づきました。
満月じゃなくても、
その月は美しい。
それは、私たちの暮らしにも
似ているのかもしれません。
今回は、そんな中秋の名月を、
こまちちゃんと一緒に眺めてみましょう。
この記事でわかること
- 2026年の中秋の名月と満月の日
- なぜ「十五夜=満月」とは限らないのか
- 中秋の名月と秋の実り、感謝とのつながり
- 月を眺めながら、今の暮らしを見つめる風水
- 「足りないもの」ではなく「今あるもの」に気づく考え方
中秋の名月の夜、こまちちゃんは空を見上げました

秋の夜。
日中の暑さが少しずつやわらぎ、
夜には虫の声が聞こえるようになりました。
こまちちゃんは、
庭に出て空を見上げます。
その隣には、めいたくん。
二人はしばらく何も話さず、
夜空を眺めていました。
すると、こまちちゃんが
ぽつりと言いました。
「ねえ、めいたくん。
今年の十五夜は、
満月なんだよね?」
「ううん。
今年は、ちょっと違うみたいだよ」
「えっ?」
こまちちゃんは、
少し驚いた顔をしました。
「2026年の中秋の名月は9月25日。
でも、満月になるのは9月27日なんだって」
「じゃあ……十五夜なのに、
満月じゃないの?」
「そういう年もあるんだよ」
めいたくんが、
ゆっくり空を見上げます。
こまちちゃんも、
もう一度月を見ました。
そして、ふと考えました。
「満月じゃなかったら……残念なのかな?」
十五夜なのに、満月じゃないの?

「中秋の名月」と聞くと、
まんまるの満月を
思い浮かべる方も
多いかもしれません。
でも、実は中秋の名月と満月は、
必ず同じ日になるわけではありません。
中秋の名月は、
昔の暦である
太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のこと。
一方、天文学でいう満月は、
太陽と月の位置関係によって決まります。
そのため、
十五夜の月と満月の日が
ずれることがあります。
2026年は、
9月25日が中秋の名月、
9月27日が満月。
国立天文台によると、
このように中秋の名月と満月の日付が
2日ずれるのは少し珍しいことなのだそうです。
つまり今年は、
「満月になる少し前の月」を
中秋の名月として眺めることになります。
そう聞くと、
なんだか今年のお月見が
少し特別に感じられませんか?
満月じゃなくても、美しい月
こまちちゃんは、
もう一度月を見ました。
「じゃあ、9月25日の月は、
まだ満ちている途中なんだね」
「そうだね」
めいたくんは静かに答えました。
こまちちゃんは、
少し考えてから言いました。
「でも……きれいだね」
めいたくんも、
うなずきます。
「うん。満月じゃなくても、
きれいだよ」
その言葉を聞いて、
こまちちゃんは、はっとしました。
もしかすると、
月だけではないのかもしれません。
私たちは、つい「まだ足りないもの」に
目を向けてしまうことがあります。
もっとお金があれば。
もっと自信があれば。
もっと仕事がうまくいけば。
家族との関係が、もう少しよくなれば。
願いが叶えば。
結果が出れば。
そうしたら、
きっと幸せになれる。
けれど、そんなふうに
「まだ足りないもの」
ばかりを見ていると、
今すでにあるものを見落としてしまうことがあります。
月だって、満月だけが月ではありません。
細い月にも、
半月にも、
満ちていく途中の月にも、
それぞれの美しさがあります。
「まだ満ちていない」
ということと、
「美しくない」
ということは、
同じではないのです。
月の満ち欠けに、暮らしを重ねてみる

人の暮らしにも、
いろいろな時があります。
何をしてもうまくいくように
感じる時もあれば、
なかなか思うように進まない時もあります。
何かを始めたばかりで、
まだ結果が見えないこともあるでしょう。
頑張っているのに、
変化が感じられないことだってあります。
そんな時、私たちは
「まだ足りない」と思ってしまいがちです。
でも、月は「早く満月にならなくちゃ」と焦ったりしません。
満ちる時もあれば、
欠ける時もある。
そしてまた、
少しずつ姿を変えていきます。
風水も、私はそんなふうに考えています。
何かを置いたら、
次の日から突然すべてが変わる。
そんな魔法のようなものではなく、
日々の暮らしの中で、
自分にできることを少しずつ整えていく。
部屋を整える。
不要なものを手放す。
身の回りのものを大切にする。
食事をいただけることに感謝する。
人から受けた親切を忘れない。
自然の変化に気づく。
そうした小さな積み重ねが、
ゆっくりと自分の暮らしを
整えていくのだと思います。
中秋の名月は、秋の実りに感謝する日でもありました

地域によっては、
中秋の名月を「芋名月」と呼ぶこともあります。
月見団子や里芋、
秋の野菜や果物などを
お供えする風習もありますね。
こうしたものを見ていると、
昔の人たちが月だけを眺めていたのではないことが分かります。
「今年も無事に収穫できました」
「食べるものがあることは、ありがたいことだね」
そんな感謝の気持ちも、
月見の時間に込められていたのでしょう。
開運のために、
何か特別なものを用意する。
もちろん、それも楽しみ方のひとつです。
でも、今年の中秋の名月は、
少しだけ違う楽しみ方をしてみるのもよさそうです。
「今年も秋を迎えられたね」
そんな気持ちで、
月を眺めてみる。
それだけでも、
十分に素敵なお月見になるのではないでしょうか。
中秋の名月にできる、小さな風水

せっかく月を眺めるなら、
その前に身の回りを少し整えてみましょう。
窓辺をきれいにする
月を眺める窓が汚れていたら、
軽く拭いてみましょう。
カーテンを整えたり、
窓辺に置いているものを
片づけたりするのもおすすめです。
大がかりな掃除をする必要はありません。
「今夜は月を見よう」
と思ったら、その場所を少し整える。
それだけで、
月を眺める時間が気持ちよくなります。
旬のものをいただく
月見団子だけでなく、
秋に旬を迎える食べ物を
食卓に取り入れてみるのもいいですね。
里芋、栗、さつまいも、きのこなど。
その土地や家庭で
親しまれてきた
秋の味覚をいただきながら、
「今年もおいしくいただけることに、ありがとう」
と感謝してみる。
少しだけ空を見上げる
これが一番簡単です。
忙しい日でも、
ほんの数分だけ夜空を見上げてみる。
月を見ながら、
今日一日を振り返ってみましょう。
できなかったことではなく、
「今日できたことは何だったかな」
「ありがたかったことは何だったかな」
そんなふうに考えてみるのもいいでしょう。
「まだ足りない」ではなく「ここまで来た」と考えてみる

こまちちゃんは、
月を眺めながら考えていました。
「満月じゃない月を見て、
残念だと思うんじゃなくて……」
「うん?」
めいたくんがこまちちゃんを見ると、
こまちちゃんは続けました。
「今の月を見て、
きれいだなって思えばいいんだね」
「そうかもしれないね」
「人も同じなのかな」
こまちちゃんは、
自分の胸にそっと手を当てました。
「まだできていないことばかり見ないで、
今できていることも見てあげる……」
めいたくんは、
にっこりしました。
「それって、いい考えだと思うよ」
私たちは、ときどき自分に厳しすぎます。
できなかったことを何度も思い出して、
できたことは当たり前のように流してしまう。
でも、本当は今日一日を無事に過ごしたことも、
誰かに親切にできたことも、
家を少し片づけたことも、
ちゃんと積み重なっています。
大きな変化ではなくてもいい。
一歩しか進めなかった日には、
「今日は一歩進んだ」と、
自分に言ってあげてもいいのです。
運も、月のように少しずつ

風水では、環境を整えることで
運を上向きにしていく、
という考え方があります。
けれど私は、
運を「何をすれば、すぐに思い通りになる」
というものだとは考えていません。
生まれ持ったものもあります。
自分では選べない環境もあります。
努力したからといって、
すべてが思い通りになるわけでもありません。
だからこそ、
今いる場所で、
自分にできることを少しずつ。
暮らしを整える。
心を整える。
人との縁を大切にする。
自然の恵みに感謝する。
そして、今日できることをひとつ重ねていく。
そんな積み重ねが、
いつか振り返った時に、
自分の歩いてきた道を
つくっているのかもしれません。
月が一晩で満月になるわけではないように、
私たちの運や暮らしも、
少しずつ変化していくもの。
急いで満ちようとしなくてもいい。
今の自分にできることを、
ひとつずつ。
満月になる前の月も、ちゃんと美しい

夜も深くなってきました。
こまちちゃんとめいたくんは、
もう一度月を見上げます。
「ねえ、めいたくん」
「なあに?」
「9月25日の月は、まだ満月じゃないんだよね」
「うん」
「でも、私はこの月が好きだな」
めいたくんは、
静かにうなずきました。
満月は9月27日。
でも、9月25日の月も、
中秋の名月です。
満ちていないからといって、
価値がなくなるわけではありません。
むしろ、満ちていく途中だからこそ見える月があります。
そしてそれは、私たちの暮らしも同じなのかもしれません。
まだ途中でもいい。
思い通りにならない日があってもいい。
足りないものがあってもいい。
その中にある小さな幸せや、
誰かからもらった優しさや、
今日まで積み重ねてきたものを見つけてあげる。
それもまた、自分の運を大切に育てていく一歩なのだと思います。
今年の中秋の名月、あなたは何を思いますか?

2026年の中秋の名月は、9月25日。
そして満月は、9月27日です。
今年は、少しだけ
「満月になる前の月」を楽しめるお月見です。
月を眺めながら、
あなた自身のことも、
少しだけ振り返ってみませんか?
「まだ足りない」と思っていること。
「いつかできるようになりたい」
と思っていること。
そして、今すでに持っているもの。
そばにいてくれる人。
今日食べられたもの。
安心して眠れる場所。
季節の変化に気づけたこと。
そんな小さなものにも、
目を向けてみてください。
満月じゃなくても、美しい月。
満ちていないからこそ、
今しか見られない月。
今のあなたにも、
今だからこそ見つけられる美しさが、
きっとあります。
今夜は少しだけ、
空を見上げてみませんか。
そして、心の中でそっと。
「今日も、ありがとう」
そんな言葉を月に届けてみるのも、
素敵なお月見になりそうです。
うさねこのつぶやき

私自身、以前は「運は変えられる」と、
もっと単純に考えていました。
でも、いろいろなことを経験する中で、
生まれ持ったものや、
自分では選べない環境も
あるのだと感じるようになりました。
だから今は、
「何をすれば一気に運が変わる?」というより、
「今の自分にできることは何だろう?」
そんなふうに考えています。
部屋を少し整える。
人にありがとうを伝える。
季節の行事を楽しむ。
自然の恵みに感謝する。
できることは、
本当に小さなことばかり。
でも、小さなことを笑わずに大切にする。
そんなところから、
ゆっくり運を育てていけたらいいなと思っています。
今夜の月も、
きっときれいですね。
今日の小さな開運メモ

中秋の名月の夜は、
窓辺を整えて、
月を眺めながら
「今日あったありがたいこと」
をひとつ思い出してみましょう。
大きな開運を探すより、
今ある小さな幸せに気づくこと。
それも、暮らしを整える大切な一歩です。



