十三夜は栗名月|栗ひとつから始まった、秋のありがとう|こまちちゃん風水日記63

こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作

 

「こまちちゃんの“やさしさの原点”を描いた物語です。
今回のお話で好きになってくれた方は、
ぜひ絵本の世界ものぞいてみてくださいね🐰
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秋が深まってくると、
スーパーの店先にも栗が並び始めます。

 

ころんと丸くて、
つやつやしていて。

 

私は栗を見ると、

「秋が来たんだなあ」

と感じます。

 

そして、秋のお月見といえば「十五夜」が
よく知られていますが、
実は日本には、
もう一度お月見をする風習があります。

 

それが十三夜(じゅうさんや)です。

十三夜は「栗名月(くりめいげつ)」や
「豆名月(まめめいげつ)」
とも呼ばれています。

 

2026年の十三夜は、10月23日(金)です。
今年の十三夜は、ちょうど秋が深まるころ。

 

今回は、そんな十三夜の「栗名月」から、
こまちちゃんたちが
「食べ物への感謝」と「秋の実り」
について考えるお話です。

 

この記事を読むとわかること

秋の実りが入った木の器の栗を眺めるこまちちゃんとめいたくん。十三夜の月が見えるやさしの森の秋の風景

  • 十三夜とはどんな日なのか
  • なぜ十三夜は「栗名月」と呼ばれるのか
  • 十三夜のお月見では何をお供えするのか
  • 秋の実りと「食べ物への感謝」の意味
  • 風水で大切にしたい、食卓と感謝の心
  • こまちちゃんたちが栗から学んだこと

 

十三夜とは?十五夜とは違う、もうひとつのお月見

十三夜の月を見上げるこまちちゃんとめいたくん。ススキと栗を供えた秋のお月見の風景

「十五夜のお月見」は知っているけれど、

「十三夜って何?」

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

十三夜は、旧暦9月13日の夜に
行われてきた日本のお月見の風習です。

十五夜の「中秋の名月」に対して、
十三夜は「後(のち)の月」とも呼ばれてきました。

 

そして、十三夜にはもうひとつ、
素敵な名前があります。

「栗名月」です。

 

秋に収穫される栗を
お供えすることから、
そう呼ばれるようになったとされています。

 

ほかにも豆を供えることから
「豆名月」と呼ばれることもあります。

 

2026年の十三夜は10月23日です。

 

十五夜のお月さまを楽しんだあと、
秋がさらに深まったころに、
もう一度お月さまを眺める。

 

昔の人は、そんな季節の移ろいも大切にしていたのですね。

 

 

十五夜の月も、十三夜の月も、それぞれに違った美しさがあります。
以前、こまちちゃんは「満月じゃなくても、美しい月」ということを、秋の月を眺めながら考えました。

月の満ち欠けに目を向けてみると、いつもの夜空が少し違って見えるかもしれません。

→「満月じゃなくても、美しい月|中秋の名月にこまちちゃんが学んだこと」を読む

栗ひとつから始まった、秋のお話

秋の森の小道で落ちている栗を見つけたこまちちゃんと、そばで見守るめいたくん

その日のやさしの森は、
少し冷たい風が吹いていました。

 

木々の葉っぱも、
夏のころとは違う色になっています。

 

こまちちゃんは、
森の小道を歩いていました。

すると――

「あっ!」

足元に、ころん。

 

小さな栗がひとつ、
落ちていました。

こまちちゃんは、
栗を両手でそっと拾い上げました。

「栗だ!」

 

そこへ、めいたくんがやってきました。

「ほんとうだ。もう栗の季節なんだね」

 

こまちちゃんは栗を
じっと見つめます。

つやつやした茶色の皮。

丸い形。

そして、ちょっぴりトゲトゲした、いが。

 

「ねえ、めいたくん」

「なあに?」

「この栗って、どうやってできたんだろう?」

 

めいたくんは、少し考えました。

「栗の木になっていたんだから……
栗の木が作ってくれたんじゃないかな?」

 

「そうだよね」

こまちちゃんは栗を見ながら、
にっこりしました。

 

でも、そのとき。

後ろから、よしのおばあちゃんの声が聞こえてきました。

「栗だけじゃないのよ」

 

「え?」

こまちちゃんとめいたくんが振り向くと、
よしのおばあちゃんが立っていました。

 

「その栗ができるまでには、
たくさんのものが関わっているの」

栗ひとつにも、たくさんの「おかげさま」

栗の木を見上げるこまちちゃんとめいたくん。太陽や雨、土や葉に育まれる秋の栗

よしのおばあちゃんは、
栗を見ながら話しました。

 

「まずは栗の木がいるでしょう?」

「うん」

「そして、土があって、
お水があって、
お日さまがあって、
季節があって……」

 

こまちちゃんは、
ひとつずつ指を折りながら数えていきます。

「土……」

「お水……」

「お日さま……」

「秋……」

「そうね」

 

よしのおばあちゃんは、
やさしく笑いました。

「栗ひとつだけを見ていると、
小さな栗に見えるでしょう?」

 

「うん」

 

「でも、その栗がここに来るまでには、
たくさんの『おかげさま』があるのよ」

 

こまちちゃんは、
手のひらの栗をもう一度見つめました。

 

さっきまでは、
ただの「栗」でした。

でも今は、少し違って見えます。

 

土の中から栄養をもらって。

雨から水をもらって。

太陽の光を浴びて。

長い時間をかけて育って。

 

そして、秋になって。

ようやく私たちのところへやってきた。

 

「栗って……ずいぶん長い旅をしてきたんだね」

こまちちゃんが言いました。

 

「そうね」

よしのおばあちゃんはうなずきました。

 

 

大きな幸せは、いつも分かりやすい形でやってくるとは限りません。

朝の庭に残った露や、季節の変化、いつもと少し違う空気。
そんな小さなものに気づいたとき、「今日もいい日だな」と思えることがあります。

こまちちゃんが朝露から見つけた小さな幸せのお話も、よかったら読んでみてください。

→「朝露が教えてくれた、小さな幸せ|こまちちゃん風水日記61」を読む

 

 

「いただきます」は、食べ物へのありがとう

秋の実りが並んだ食卓を囲み、いただきますと手を合わせるこまちちゃん、めいたくん、むったちゃん、よしのおばあちゃん

その日の夕方。

森のみんなで食卓を囲みました。

 

秋の野菜や、きのこ。

そして、栗のお料理も並んでいます。

 

こまちちゃんは、
栗をひとつ見つめました。

そして、いつもより少しゆっくりと、

「いただきます」

と言いました。

 

めいたくんも、

「いただきます」

と続きます。

 

むったちゃんも、

「いただきます!」

と元気よく手を合わせました。

 

すると、こまちちゃんがぽつり。

「『いただきます』って、
誰に言っているんだろうね?」

 

みんなが少し考えました。

「作ってくれた人?」

「育ててくれた人?」

「お料理してくれた人?」

いろいろな答えが出ました。

 

よしのおばあちゃんは、にっこり。

「きっと、ひとつだけではないのでしょうね」

「ひとつだけじゃない?」

「食べ物そのものにも。
食べ物の命をいただいて
私たちは生かされているのよ。

 

それに、
育ててくれた自然にも。
作ってくれた人にも。
料理してくれた人にも」

 

そう言ってから、
よしのおばあちゃんは続けました。

 

「だから私は、『いただきます』には、
たくさんのありがとうが入っていると思っているの」

 

こまちちゃんは、
静かにうなずきました。

 

「じゃあ、『ごちそうさま』にも……ありがとうが入っているのかな?」

 

「そうね」

よしのおばあちゃんは笑いました。

 

「今日も、
おいしくいただきましたっていう、
感謝のありがとうね」

秋の実りをいただくということ

栗やさつまいも、きのこ、柿、りんごなど秋の実りを眺めるこまちちゃんとめいたくん

秋になると、
栗だけでなく、
さつまいも、
きのこ、
柿、りんごなど、
たくさんの食べ物がおいしい季節になります。

 

昔から日本では、
季節の実りをいただきながら、
その年の収穫に感謝する文化が育まれてきました。

 

十三夜に栗や豆を供える
「栗名月」「豆名月」という呼び名も、
そんな秋の実りと結びついています。

 

もちろん、
今の暮らしでは、
昔とまったく同じお月見をしなくても大丈夫。

 

栗を食べてもいい。

月を眺めるだけでもいい。

家族と「今年も秋が来たね」と話すだけでもいい。

 

大切なのは、

季節の恵みに気づくこと。

 

そして、

「ありがとう」と思える時間を持つこと。

なのかもしれません。

風水で考える「食卓を整える」ということ

食事の前に木のテーブルを丁寧に拭いて整えるこまちちゃんと、食器を運ぶめいたくん

風水というと、

「どこに何を置けば運が上がる?」

という話を思い浮かべる方も多いかもしれません。

 

もちろん、住まいの環境を整えることは大切です。

でも私は、それだけではないと思っています。

 

毎日使う食卓も、
私たちの暮らしを支えている大切な場所です。

 

 

たとえば、

食卓をきれいに整える

食事の前にテーブルを拭く。

不要なものを片づける。

食器を丁寧に並べる。

 

ほんの数分でも、
食卓が整うと、
食事に向き合いやすくなります。

 

 

食べ物を大切にする

必要な分だけ買う。

食べられる量を盛りつける。

残ったものを無理なく保存する。

 

食べ物を粗末にしないことも、
暮らしを大切にすることのひとつです。

 

 

「いただきます」を丁寧に言ってみる

忙しい毎日の中では、

「いただきます」

「ごちそうさま」

が、いつの間にか習慣だけになってしまうこともあります。

 

だからこそ、ときどき少しだけ立ち止まって、

「今日も食べられてよかったな」

と思ってみる。

 

私は、そんな小さな心がけも、
運を育てる暮らしのひとつだと思っています。

 

開運は、何かを手に入れることだけじゃない

小さな苗木に水をあげながら大切に育てるこまちちゃんと、そばで支えるめいたくんとむったちゃん

「運を良くしたい」
と思ったとき、つい、

 

新しいものを買ったり、
特別なことをしたり、

 

すぐに効果が出そうな方法を探したり。
そんなことを考えてしまいます。

 

その行動力も
とてもすばらしいと思います。

 

でも、こまちちゃんが
栗から教えてもらったのは、
もっと静かなことでした。

 

ひとつの栗ができるまでにも、
長い時間がかかっている。

 

それなら、
私たちの運も同じなのかもしれません。

今日、掃除をしたから。

今日、玄関を整えたから。

今日、「ありがとう」と言ったから。

 

明日突然、人生が全部変わるわけではありません。

でも、小さなことをひとつずつ積み重ねていく。

暮らしを整えて。

人との縁を大切にして。

いただいたものに感謝して。

自分自身も大切にする。

 

そんな毎日が、
少しずつ自分の運を育てていくのではないでしょうか。

 

栗だって、一日で実になるわけではありません。

今年の十三夜は、栗をひとつ味わってみませんか?

十三夜の夜、縁側で栗を手にしながら月を眺めるこまちちゃんとめいたくん

2026年の十三夜は、10月23日(金)です。

この日は、特別なお供えを用意しなくても大丈夫。

 

もし栗を見かけたら、

「今年も秋が来たな」

と思いながら、ひとつ味わってみる。

 

そして食べる前に、

「いただきます」

食べ終わったら、

「ごちそうさま」

と、いつもより少しだけ心を込めて言ってみる。

 

それだけでも、
いつもの食事が少し違って感じられるかもしれません。

 

もし夜に月が見えたら、
空を見上げてみるのもいいですね。

 

十三夜のお月さまを眺めながら、

「今年もいろいろあったな」

と振り返る。

そして、

「ここまで頑張ってきた私にも、ありがとう」

と言ってあげる。

 

食べ物への感謝は、
自然への感謝だけではありません。

 

今日まで頑張ってきた自分への感謝にも、
つながっているのかもしれません。

こまちちゃんが栗から学んだこと

手のひらに乗せたひとつの栗を見つめて微笑むこまちちゃん。秋の森を背景にした風景

やさしの森の夜。

こまちちゃんは、
昼間に拾った栗を眺めていました。

 

「ねえ、めいたくん」

「なあに?」

「栗ひとつって、小さいよね」

「うん」

「でも、ここまで来るのに、
たくさんのものが必要だったんだね」

 

めいたくんは、うなずきました。

「そうだね」

 

こまちちゃんは、
栗をそっと手のひらに乗せます。

そして、にっこり。

「じゃあ、私たちも同じなのかな」

「え?」

「私たちも、ひとりでここまで来たわけじゃないんだよね」

 

土や水や太陽だけではありません。

家族。

友達。

仕事。

食べ物。

住む場所。

今まで出会った人たち。

そして、今日までの日々。

 

目には見えないたくさんのものに支えられて、今の自分がいる。

 

こまちちゃんは、
空を見上げました
。

 

秋の夜空には、
静かな月が浮かんでいます。

 

「なんだか、ありがとうって言いたくなっちゃった」

「うん」

めいたくんも笑いました。

 

森には、秋の風がそっと吹いていました。

うさねこのつぶやき

十三夜の月を見上げるこまちちゃん、めいたくん、むったちゃん、吉野おばあちゃん。手前には秋の実りとひとつの栗

スーパーで売られている栗を見ると、
「もう栗の季節なんだぁ」と思うだけなのですが、
よく考えてみると、
その栗ができるまでには、
ものすごく長い時間がかかっています。

 

木があって。

土があって。

水があって。

太陽があって。

季節が巡って。

 

そして誰かが収穫して、運んで、売ってくれて。

 

ようやく私たちの食卓にやってくる。

そう考えると、
いつもの「いただきます」が、
少し違って聞こえてきませんか?

 

私は、風水も同じところがあると思っています。

「これを置けば、明日から開運!」

というようなことだけではなくて。

 

家を少しずつ整える。

自分の暮らしを大切にする。

食べ物を大切にする。

人とのご縁に感謝する。

そういう小さなことを、毎日少しずつ積み重ねる。

 

栗が一日で実らないように、
運も一日で大きく実るものではないのかもしれません。

 

だからこそ、焦らず、コツコツ。

今日の自分にできる小さな「ありがとう」を、ひとつ拾っていきたいと思います。

栗ひとつから、そんなことを考えた秋のおはなしです。

 

 

そういえば、やさしの森には、こんなふうに「小さなことに気づいた日」のお便りも届いています。

雨のあと、朝の光の中で見つけた黄色い羽。
ほんの短い時間の出来事でしたが、こまちちゃんたちと一緒に、その小さな出来事を眺めてみました。

よかったら、こちらのお話も読んでみてください。

→「やさしの森の小さなお便り 第1便|雨のあと、朝日に見つけた黄色い羽」を読む

 

 

まとめ|十三夜の栗名月に、秋の実りと「ありがとう」を

十三夜の夜、栗ひとつを前にして感謝するこまちちゃんとめいたくん。秋の実りと月を眺めるやさしの森の風景

十三夜は、十五夜とはまた違う、
日本の美しいお月見の風習です。

 

2026年の十三夜は10月23日。

「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、
秋の実りを感じる季節でもあります。

 

今年の十三夜は、ぜひ栗をひとつ味わいながら、

「いただきます」

「ごちそうさま」

を、いつもより少し丁寧に言ってみませんか?

 

そして、夜空に月が見えたら、
ほんの少し立ち止まってみてください。

 

今、自分のまわりにあるもの。

今日食べたもの。

帰る場所。

支えてくれる人。

そして、ここまで頑張ってきた自分。

 

当たり前に見えているものの中にも、
たくさんの「おかげさま」があります。

 

運を育てるということは、
何かを新しく手に入れることだけではなく、
すでにある恵みに気づくことから始まるのかもしれません。

 

今年の十三夜。

こまちちゃんと一緒に、
秋の実りに「ありがとう」を伝えてみませんか?

 

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