自分が正しいと思い込んでいない?|おこりんぼうのハムちゃん①|こまちちゃん風水日記55

こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作

「こまちちゃんの“やさしさの原点”を描いた物語です。
今回のお話で好きになってくれた方は、
ぜひ絵本の世界ものぞいてみてくださいね🐰
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やさしの森には、
今日もやわらかな風が
吹いています。

 

木の葉がさらさらと揺れ、
小鳥さんたちの歌声が
森いっぱいに響いていました。

 

みんな笑顔で暮らす、
いつものやさしの森。

 

でも、その日だけは
少しだけ違いました。

 

お友達がどこか困ったような
顔をしていたのです。

 

今日は、
「自分が正しいと思い込んでいないかな?」と、
ふと立ち止まって考えてみたくなるお話です。

 

おこりんぼうのハムちゃん

やさしの森には、
小さなハムスターの
ハムちゃんが住んでいました。

 

ハムちゃんは、
とても働き者で、
何でも一所懸命。

 

困っているお友達がいると、
すぐに手伝ってあげる
優しいところもあります。

 

だから森のみんなは、
ハムちゃんのことが大好きでした。

 

でも、ハムちゃんには
一つだけ困ったところがありました。

 

自分の考えと違うことを言われると、

すぐに怒ってしまうのです。

 

 

ある日のこと。

リスちゃんが笑顔で言いました。

「今日は、あっちの広場で遊ばない?」

 

するとハムちゃんは、ぷくっとほっぺをふくらませます。

「えーっ!」

「ぼくはこっちの広場がいい!」

 

「こっちのほうが絶対に正しいよ!」

 

すると今度は、
小鳥さんが木の枝から言いました。

 

「森の奥には、
お花がたくさん咲いていたよ。」

「今日はそっちへ行くのも楽しそう。」

 

でもハムちゃんは首を横に振ります。

「ちがうよ!」

「ぼくの考えが一番いいんだから!」

 

その声は、森じゅうに響きました。

 

こまちちゃんは、
少し心配そうに
ハムちゃんを見つめます。

 

(どうして、こんなに怒っているんだろう……。)

そう思いましたが、その日は何も言いませんでした。

 

少しずつ遠くなる、ご縁

それからも、
同じようなことが
何度も続きました。

 

遊ぶ場所。

おやつ。

お花を飾る場所。

 

ほんの小さなことでも、

自分の考えと違うと、
ハムちゃんは怒ってしまいます。

 

最初は、みんなも笑っていました。

「今日は機嫌が悪いのかな。」

そう思っていたのです。

 

でも、何度も続くうちに、
森のみんなは少しずつ悩み始めました。

 

ある日の昼下がり。

 

リスちゃんと小鳥さん、
もぐらさんが、
大きな木の下で小さな声で話しています。

 

リスちゃんが言いました。

 

「今日もハムちゃんを誘ってみようか?」

 

小鳥さんは、
羽をそっとたたみながら答えます。

 

「うーん……。」

「また怒らせちゃったら、
かわいそうだな……。」

 

もぐらさんも
困ったように言いました。

 

「ぼくも一緒に遊びたいよ。」

「でも、どう声をかけたらいいのか分からないんだ。」

 

三人とも、
ハムちゃんが嫌いになったわけではありません。

 

本当は、今までどおり
一緒に笑って遊びたいのです。

 

でも、

 

どう接したらいいのか
分からなくなってしまったのでした。

 

そのころハムちゃんは、
一人で切り株に座っていました。

 

「今日は誰も遊びに来ないなぁ。」

「みんな、どこへ行っちゃったんだろう。」

 

ハムちゃんは少しだけ寂しくなりました。

 

でも、まだその理由には気づいていません。

 

その様子を見つめていたこまちちゃんは、

胸の中でそっと思いました。

 

(ハムちゃんは、本当は優しい子なのに……。)

(どうしたら、みんながまた笑顔になれるのかな。)

 

こまちちゃんは、
静かにハムちゃんのほうへ歩き始めました。

 

山へ続く道は、一つじゃない

こまちちゃんは、
切り株に座っている
ハムちゃんの隣へ、
そっと座りました。

 

「ハムちゃん。」

「少しだけ、お散歩しない?」

 

ハムちゃんは小さくうなずき、
二人は森の山道を歩き始めました。

 

しばらく歩くと、
道が二つに分かれている場所へやってきました。

 

一つは、木漏れ日の中をまっすぐ進む道。

もう一つは、小川のせせらぎが聞こえる、ゆるやかな道です。

 

こまちちゃんは立ち止まり、
優しく尋ねました。

「ハムちゃん。」

「どっちの道を歩きたい?」

 

ハムちゃんは
少し考えてから言いました。

「ぼくは、こっちかな。」

 

小川の見える道を指さします。

 

こまちちゃんは、
にっこり笑いました。

「私はね、木漏れ日の道も好きなんだ。」

 

ハムちゃんは、
少し不思議そうな顔をしました。

「えっ?」

「でも、どっちも山へ続いているよね。」

こまちちゃんは、
遠くに見える山を見つめながら話します。

 

「歩く道は違っても、
ちゃんと山へ着くことができるんだよ。」

「だから私はね。」

「考え方も少し似ているんじゃないかなって思うの。」

 

ハムちゃんは
黙って耳を傾けていました。

 

「自分と違う考えの人がいても、
その人が間違っているとは限らないよね。」

 

「ただ、違う道を歩いているだけなのかもしれない。」

 

森の木々の間を、
やさしい風が吹き抜けました。

 

葉っぱが、さらさらと小さな音を立てています。

 

「そういう考え方もあるんだね」

しばらく二人は、
何も話さず歩きました。

 

やがてハムちゃんが、
小さな声で言いました。

「ぼく、自分が正しいと思ってた。」

「だから、みんなに『違うよ!』って言ってた。」

 

こまちちゃんは、
ハムちゃんのほうを見て微笑みます。

 

「自分の考えを持つことは、
とても大切だと思うよ。」

 

「私も、自分で考えることは好きだから。」

 

「でもね。」

「自分の考えを大切にすることと、
自分だけが正しいと思い込むことは、
少し違うのかもしれないね。」

 

ハムちゃんは
立ち止まりました。

 

その言葉を、
ゆっくり心の中で繰り返します。

 

「ぼく……。」

「みんなが間違っているんじゃなくて……。」

「ぼくとは違う考えだっただけなのかな。」

 

こまちちゃんは、
嬉しそうにうなずきました。

 

「私はね。」

「誰かと意見が違ったとき、
すぐに『違うよ。』って言う代わりに、
こんな言葉を大切にしたいなって思っているの。」

 

ハムちゃんは首をかしげます。

「どんな言葉?」

 

こまちちゃんは、
にっこり笑って答えました。

「そういう考え方もあるんだね。」

 

その一言を聞いたハムちゃんは、
すこしとまどった顔でつぶやきました。

 

「そんなふうに考えたこと、
なかったな。」

 

そのとき、森の木々の間から、
あたたかな光が二人を
優しく照らしました。

こまちちゃんは、
その光を見上げながら思いました。

(きっと、心にも窓があるんだ。)

(少しだけ開いてみると、新しい風が入ってくるんだね。)

 

ハムちゃんも、
空を見上げます。

 

さっきまでより、
空が少しだけ広く見えたような気がしました。

 

でも、
本当に大切なことには、
まだ気づいていません。

 

言葉には、
人の心をあたためる力もあれば、
傷つけてしまう力もあることを・・・。

 

そのことを知るのは、
もう少し先のお話です。

 

心の風水|心にも窓を開けてみよう

風水では、お部屋の窓を開けて
新しい風を通すことを大切にします。

 

空気が入れ替わると、
お部屋の雰囲気も明るくなりますよね。

 

実は、心も同じなのかもしれません。

 

「自分だけが正しい。」

 

そんな気持ちで
心の窓を閉めてしまうと、
新しい考えや優しい言葉が
入りにくくなってしまいます。

 

でも、

「そういう考え方もあるんだね。」

 

そう思えた瞬間、
心の窓が少しだけ開きます。

 

すると、新しい風が入り、
心も少し軽くなるのです。

 

違う考えに出会うことは、
負けることではありません。

 

自分の世界を少し広げる、
素敵な出会いなのかもしれませんね。

 

今日の小さな開運メモ

今日、誰かと意見が違うことがあったら、
すぐに答えを返す前に、
一度だけ心の中で深呼吸をしてみましょう。

 

そして、こんな言葉を思い出してください。

 

「そういう考え方もあるんだね。」

 

すぐに賛成できなくても大丈夫。

 

まずは相手の話を
最後まで聞いてみること。

 

その小さな心の余白が、
きっと人とのご縁をやさしく育ててくれます。

 

 うさねこのつぶやき

このお話を書きながら、
私自身も「そういう考え方もあるんだね。」
という言葉の大切さを改めて感じました。

 

私も、すぐにそう思えるわけではありません。

「それは違うんじゃないかな。」

そう感じることもあります。

 

でも、そんなときこそ、
一度立ち止まって
相手の話に耳を傾けてみたいと思っています。

 

考え方は、一人ひとり違って当たり前。

 

だからこそ、
その違いを否定するのではなく、
「そういう考え方もあるんだね。」
と受け止められたら、

 

お互いにもっと気持ちよく過ごせるのかもしれません。

 

だから私は、

「私はこう思う。」

という気持ちは大切にしながらも、

「そういう考え方もあるんだね。」

という心も、忘れないでいたいなと思っています。

 

 

さて、ハムちゃんは少しだけ心の窓を開くことができました。

でも、まだ本当に大切なことには気づいていません。

 

怒ったときに口から出た言葉は、
相手の心にどんなふうに届くのでしょう。

 

そして、どうすれば、
もう一度みんなと笑い合えるのでしょう。

 

その続きは、次のお話で・・・。

 

 

 

やさしの森をおさんぽしよう

今日は遊びに来てくれてありがとう。

やさしの森では、
季節がめぐるたびに新しい物語が生まれます。

こまちちゃん風水日記お話一覧

次のお話もどうぞお楽しみに♪

こまちちゃんの風水日記は、毎週金曜日に新作をお届けしています。

 

また、やさしの森で会おうね。

 

 

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