
こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作
「あの子いいなぁ……」
そんなふうに、
つい誰かと自分を比べてしまう日ってありませんか?
本当は、いまの自分にもちゃんにあるはずなのに——
なぜか、足りない気がしてしまう。
でももしかしたらそれは、
“しあわせがない”のではなく、
“しあわせに気づけていないだけ”なのかもしれません。
このお話は、
そんな気持ちを抱えたリスのムッタちゃんと、
白うさぎのこまちちゃんのおはなしです。
読み終わるころには、
あなたの手の中にあるあたたかさに、
そっと気づけるかもしれません。
Contents
となりのしあわせが、まぶしく見える日

やさしの森の午後。
やわらかな光が木々のあいだをすり抜けていました。
ムッタちゃんは、
木の根元に座って、
ぽつりとつぶやきます。
「いいなぁ……あの子は」
「あの子はおうちが大きくていいなぁ、とか」
「あの子はかわいくていいなぁ、とか……」
ムッタちゃんを他人を見て、
考えなくてもいいことを自分の心に話してました。
こまちちゃんが教えてくれた「もう持っている幸せ」

そのとき、こまちちゃんがやってきました。
「どうしたの?」と、やさしく声をかけます。
ムッタちゃんは、
小さく笑って言いました。
「なんだかね、みんながうらやましく見えちゃうの」
「ねえ、ムッタちゃん」
「その手にあるもの、見てみて?」
ムッタちゃんの手のひらには、
つやつやの木の実がありました。
「これ、さっき見つけたの」
「うん。あたたかいおうちもあるし、
やさしい家族やお友達もいるよね」
「……あ」
ムッタちゃんは、
少しだけ顔をあげました。
「わたし、ちゃんと持ってる……」
こまちちゃんは、ふわりと笑います。
「しあわせってね、“ない”ものじゃなくて——」
「気づいてもらうのを、
静かに待っていることもあるんだよ」
自分のいいところは、自分では気づきにくい

ムッタちゃんは、
小さな声で言いました。
「わたしには、
すごいところなんてないよ」
こまちちゃんは、首をかしげました。
「ほんとうにそうかな?」
ムッタちゃんはね、
誰かが悲しそうにしていると、
すぐに気づいてあげられるでしょう?」
「そっととなりにいてあげることもできるよね」
「でもそれは、
ムッタちゃんにとって“当たり前”だから、
気づきにくいだけなの」
ムッタちゃんは、
きょとんとしました。
「当たり前のことってね」
「じつは、その子だけが持っている特別なものだったりするの」
風がふわりと吹いて、
木の葉がやさしく揺れました。
「だからね、
他人のことをうらやんだりすることはないんだよ」
逆にうらやましがっていたその子は、
ムッタちゃんはかわいくて
やさしくていいなぁって
憧れてるかもよ♪
ムッタちゃんは、「えっ」と驚き
照れたように微笑みました。
そうなのかな。
「だからね、他人をうらやましくおもう必要なんてないんだよ」
「うらやましい」が心を苦しくするとき

人と比較してると、
近くにいる大切な人を
知らず知らずのうちに
傷つけてしまうこともあります。
こまちちゃんはムッタちゃんにこんなお話をしました。
「ねえ、ムッタちゃん」
「もしね、わたしがムッタちゃんと遊んでいるときに、
ムッタちゃんより、あの子のほうが楽しそうだなぁって言ったら、どう思う?」
ムッタちゃんは、
少しびっくりして考えました。
「えっと……ちょっと、さみしいかも」
こまちちゃんは、ゆっくりうなずきます。
「そうだよね」
「それってね、悪いことじゃないの」
「でもね、そばにいる大切な人の気持ちを、
少しだけ見えにくくしてしまうこともあるの」
「うらやましい」は、ときどき呪文みたいになる

「“うらやましい”って言葉ね」
「何度もくり返していると、
少しずつ、
自分の心まで苦しくなってしまうことがあるの
それにうらめしや〜に聞こえない?!」
「まるで、小さな呪文みたいにね」
ムッタちゃんは、びっくりした顔をしました。
「うらやまし〜、うらめしや〜ちょっと似てる……?」
「うん。でもね、
同じ気持ちでも——
言い方を変えるだけで、
やさしい力にもなるよ」
羨ましいではなくて、
あの子は素敵だな憧れちゃうにするの!
たとえば、
「“うらやましい”じゃなくて、
“ハキハキ話せて、すてきだなぁ”って思ってみるの」
そっか、こんな風にわたしも話してみようかなって参考にしてみようとかね。
「そうするとね、不思議と心がチクっとしにくくなるんだよ」
ムッタちゃんは、小さくうなずきました。
「そっか……“素敵だな”かぁ」
こまちちゃんは、ふわりと笑いました。
「うん。そしてね、
本来は比べなくても大丈夫!
比べるなら、過去の自分(昨日の自分)と比べるの」
「ムッタちゃんは、とてもやさしくてかわいくて素敵なんだから」
「そのままのやさしさが、ちゃんと輝いているよ」
ムッタちゃんが気づいた「ないもの探し」のくせ

風がやさしく吹いて、
木漏れ日がふわりと揺れました。
ムッタちゃんは、胸にそっと手をあてます。
「わたし……ずっと、“ないもの探し”ばかりしてたのかもしれない」
「ほんとは、ちゃんと持っていたのに」
こまちちゃんは、やさしく言いました。
「うん。人と比べてしまうとね、
心がずっと外ばかりを見てしまうの」
「でも、自分の中にも、ちゃんと光はあるんだよ」
そのままの自分で、もっと軽やかに

「ムッタちゃんのやさしさはね、そのままでいいの」
「それは、とってもすてきな宝物だから」
「ただね、“見方”や“感じ方”は、少しずつ変えていけるよ」
「性格は、もともとの大切な部分」
「でも、くり返してしまう“くせ”は、ゆっくりほどいていけるの」
ムッタちゃんは、ほっとしたように笑いました。
「じゃあ、わたし……このままでいいの?」
「いいに決まってるよ。大切なお友達だもん」クセを改善すれば、
「そのままのムッタちゃんで、
もっとたのしく
今を生きられるようになるだけだよ」
ムッタちゃんの心の中には、
前より少しだけあたたかい光が灯っていました。
それは、“誰かみたいになる光”ではなく—
“自分を大切に思える光”でした。
ほんの少し、もったいないこと

こまちちゃんは、そっと言いました。
「うらやましい気持ちばかり見ているとね」
「いま手の中にあるしあわせを、
見逃してしまうこともあるの」
「ほんとはもう持っているのに、
気づけないまま過ぎてしまったら——」
「それって、少しだけもったいないよね」
「うらやましいって言葉が続くとね、心が少しずつ外ばかりを見てしまうの」
「でも、“素敵だな”って言葉に変えると、自分の中にも光が戻ってくるよ」
ムッタちゃんが心に決めたこと

ムッタちゃんは、
手の中の木の実をぎゅっと握りました。
「わたしね……」
「これからは、“ないもの探し”ばかりしないようにしたい」
「“いいなぁ”って思ったら、うらやましがるんじゃなくて、
その子の素敵なところを見つけてみる」
「それでね、わたしも、できることからやってみたいな」
こまちちゃんは、やさしくうなずきました。
「うん。でもね、がんばりすぎなくていいの」
「“ほどほどに”が、ちょうどいいよ」
こまちちゃんの風水メモ|比べて苦しくなった日の小さな習慣

・“足りない”と感じるときは、部屋の中をゆっくり見渡してみる
・お気に入りの物に触れて、「ありがとう」と心の中でつぶやく
・朝にカーテンを開けて、自然の光を取り入れる
・「ないもの」ではなく、「もう持っているもの」
を3つ思い浮かべてみる
満ちていることに気づいたとき、
運はやさしく巡りはじめます。
まとめ|幸せは「足りないもの」の外側ではなく、今あるものの中にある

他人と比べてしまうのは、自然なこと。
でも、そのたびに自分のしあわせを見失ってしまうのは、
少しもったいない。
なくしてから気づくより、
ある今に、そっと気づいてあげられたら——
そのほうが、きっとやさしい人生になります。
人はもともと、
他人と比べるようにできています。
心理学では 社会的比較理論って呼ばれていて、
簡単に言うと「自分の立ち位置を確認するために、
無意識に他人を見る」仕組みです。
でも、
- 「その人のしあわせは、その人にしかわからない」
- 「外から見えるものと、本当のしあわせは違うこともある」
だから他人と自分を比較することはできないんですよね。
だけど考えちゃう、じゃあどうやってこの癖をほどけばいいんだろう?
まず、比較をゼロにするのは無理
でも、“比較の向き”は変えられます。
少し効くやり方
①「過去の自分」と比べる
他人じゃなくて、昨日の自分。これ、地味だけど一番効く。
人と比べると終わりがないけど、自分相手ならちゃんと終わる。
②「いいな」と思ったら“奪わないで借りる”
「あの人いいな」で終わると苦しくなる。でも「あの人のここ、真似しよう」に変えると前に進む。
③ 1日の中で“小さく満ちてる瞬間”を拾う
朝の光、あったかいお茶、ちょっとした達成感。こういうのを無視し続けると、人は不幸にしか気付けなくなる。
幸せって、派手じゃなくて静かに転がってるものだから。

この癖はすぐに治るものじゃないけど。
気付いて「変えたい」と思ってる時点で、もう半分抜けてる。
他人を見て心がざわつく日もある。
それでも最後に「まあ、自分は自分でいいか」と着地できたら、それはもう立派な前進だよ。
とこまちちゃんは微笑みました。
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こまちちゃんの風水日記は、毎週金曜日に新作をお届けしています。
お楽しみにしてくださいね♪
― こまちちゃんより🐇





