
こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作
まだ寒いのに、
どうして咲くのだろう。
雪が残る朝、
森の片すみにひとつだけ咲いた梅の花。
誰も見ていない場所で、
凛として立つその姿は、
まるで——
「春はもう決まっているよ」と、
静かに告げているようでした。
変わらないように見える日々の中で、
ほんとうは、何かが動きはじめている。
気づいた人から、
季節は変わる。
これは、ひと足早く咲いた梅の花と、
春をひろげる心を知った、
こまちちゃんのお話です。
Contents
森の片すみに、ひとつだけ咲いた花

立春を過ぎた朝。
やさしの森には、
まだ冷たい風が残っていました。
雪もところどころ、
白く光っています。
けれど、その森の片すみに——
ひとつだけ、
梅の花が咲いていました。
白く、凛として、
まだ誰も見ていない場所で。
こまちちゃんは、
ふと足を止めます。
「……あれ?」
小さな春が、
そこにありました。
まだ寒いのに、どうして咲くの?

こまちちゃんは、
そっと近づきました。
「まだ寒いのに、どうして咲いたの?」
梅の花は、
ただ静かに、
そこにあります。
誰かに見せるためでもなく、
ほめられるためでもなく、
季節を信じて、
自分の役目を果たすように。
その姿は、
どこか誇らしく見えました。
「もしかして、春はもう決めてるのかな」
咲くときを。
気づいた人から、春は広がる

こまちちゃんは、
森の仲間たちを呼びに行きました。
「ねえ、見て!梅が咲いてるよ」
はじめは、みんな半信半疑でした。
「まだ寒いよ?」
「本当に?」
けれど、梅の花を見たとき、
みんなの表情がふっとやわらぎました。
「ほんとうだ……梅の匂いがする」
ひとつの花が、
森の空気を、少し変えたのです。
春は、急にやってくるのではなく、
気づいた人の心から、
そっと広がっていくのかもしれません。
梅は、春を呼ぶ花

その夜。
こまちちゃんは、
よしのおばあちゃんの家を訪ねました。
「梅が咲いてたの」
そう話すと、
おばあちゃんはうなずきます。
「梅はね、春をいちばんに知らせる花なんだよ」
昔から、日本では梅を大切にしてきました。
寒さの中で咲くその姿は、
希望や忍耐の象徴でもあります。
「春を待つんじゃなくて、
春を迎える心を持つことが大事なんだよ」
灯りのゆれる部屋で、
その言葉は、やさしく胸に残りました。
こまちちゃん、春の便りになる

次の日。
こまちちゃんは、もう迷いません。
雪が残っていても、
風が冷たくても。
梅の花が咲いていることを、
知っているから。
「春はね、ちゃんと来てるよ」
そう言って、森の仲間に微笑みます。
その笑顔は、
まるで春そのもののようでした。
気づいた人が、そっと伝える。
それだけで、季節は少しずつ動いていく。
こまちちゃんは、
ひと足早い“春の便り”になったのでした。
このお話に込めた風水のこと

・梅は「厳しい気の中でも咲く陽の象徴」
・早咲きの花は、運の“兆し”を知らせる存在
・気づきは、気の流れを変える力になる
風水は、特別なことをする術ではありません。
小さな自然の変化に気づき、
それを信じる心を育てること。
それが、運をひらく第一歩。
日本の暮らしは、
季節の花とともに、
その感性を育んできました。
まとめ

まだ寒い日が続いていても、
どこかで、梅は咲いています。
もし今、
「まだ変わらない」と感じているなら。
それは、
あなたがまだ“気づいていない春”があるだけかもしれません。
ひと足早く咲く花のように、
あなたも、誰かの春の便りになれる。
春は、待つものではなく、
ひろげるものなのだから。
こまちちゃんの風水日記は、毎週金曜日に新作をお届けしています。
お楽しみにしてくださいね♪
― こまちちゃんより🐇





