
こまちちゃんの優しさの根を育てた絵本シリーズ第一作
「あの子みたいになれたらいいのになぁ……」
少し前まで、
リスのムッタちゃんは
そんなふうに思うことがよくありました。
誰かを見ては、
自分にないものを探してしまう。
でもある日、
こまちちゃんに
教えてもらったのです。
“ないもの”ばかり見つめていると、
“もう持っている幸せ”が
見えなくなってしまうことを。
ムッタちゃんが「ないもの探し」
をやめようと思えた、前回のお話はこちらです。
▶ こまちちゃん風水日記㊹|他人と比べてしまうムッタちゃんのお話
それから少しずつ、
ムッタちゃんは変わっていきました。
そして今日は——
ムッタちゃんが新しい一歩を踏み出す日のお話です。
Contents
ムッタちゃんの「好き」

やさしの森の朝。
木漏れ日が、
やわらかく小道を
照らしていました。
ムッタちゃんは、
小さな机の前で真剣な顔をしています。
机の上には、
ころんと丸いおまんじゅう。
葉っぱの形の練り切り。
木の実みたいな小さなお菓子。
「うーん……こっちの色のほうが春っぽいかなぁ」
「でも、こっちは秋の森みたいでかわいいかも……」
ムッタちゃんは、
和菓子を作ることが大好きになっていました。
季節の色を考えること。
食べた人が、ほっと笑顔になる形を考えること。
気づけば毎日、夢中になっていたのです。
比べる時間が減っていった理由

昔のムッタちゃんは、
よく遠くを見ていました。
「あの子みたいに話せたら」
「あの子みたいに可愛かったら」
「あの子みたいになれたら」
でも最近は、少し変わってきました。
「明日は桜の和菓子を作ろうかな」
「次は、お月さまみたいなお団子もいいかも」
頭の中が、“やりたいこと”で
いっぱいになっていったのです。
すると不思議なことに、
前ほど他人を気にしなくなっていました。
こまちちゃんは、
ふわりと笑います。
「夢中になれるものがあるとね」
「心がちゃんと“自分の人生”を歩きはじめるの」
小さな和菓子屋さん

ある日、ムッタちゃんは
小さな木のお店を開きました。
小鳥さんたちが遊びに来て、
くまさんは
「このどんぐりまんじゅう、ほっとするねぇ」
と笑います。
「わぁ、このお花の和菓子かわいい!」
「これ、うさぎさんのおまんじゅう、食べるのもったいないね」
みんなの声を聞くたびに、
ムッタちゃんの胸の中が、
ぽかぽかあたたかくなりました。
気づいたら、自信が育っていた

ムッタちゃんは、
ふと気づきました。
「あれ……わたし、
前より笑ってるかも」
もちろん、悩む日だってあります。
でも前みたいに、
誰かと比べてばかりではなくなりました。
その代わりに——
「もっとかわいい和菓子を作りたいな」
「次は、食べた人が元気になる色にしてみよう」

そんなふうに、
“わくわく”が増えていったのです。
こまちちゃんは、
やさしく言いました。
「ムッタちゃん、自信ってね」
「“自分はすごい!”って思うことじゃないの」
「好きなことを大切にして、
少しずつ積み重ねていくうちに——」
「いつのまにか、心の中に育っているものなんだよ」
ムッタちゃんの中の光

夕暮れのやさしの森。
お店の窓から、
やわらかな灯りがこぼれていました。
ムッタちゃんは、
新しい和菓子の絵を描いています。
「次はね、雪うさぎのおまんじゅうを作りたいの」
「それから、春になったら桜もちも……!」
その目は、
きらきら輝いていました。
でもそれは、
誰かに勝った光ではありません。
“自分の好き”を見つけた人の光でした。
こまちちゃんは、静かに微笑みます。
「ムッタちゃん、すてきだね」
ムッタちゃんは、
少し照れながら笑いました。
「えへへ……まだまだ修行中だけどね」
その笑顔は、
前よりずっと軽やかで、
やさしいものでした。
こまちちゃんの風水メモ

・好きなことに夢中になる時間は、心の気を元気にしてくれる
・「誰かみたいになる」より、「自分らしく楽しむ」を大切にする
・手を動かして何かを作ることは、運気を前向きに整えてくれる
“ないもの”ではなく、
“好き”に意識を向けたとき——
心は少しずつ、自分の光を取り戻していくのかもしれません。
まとめ

誰かと比べ続けていると、
心は疲れてしまいます。
でも、“夢中になれること”が見つかると、
人は少しずつ変わっていけるのかもしれません。
昨日の自分より、
ほんの少し前へ。
ムッタちゃんの小さな和菓子屋さんには、
今日もやさしい笑顔であふれています。

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こまちちゃんの風水日記は、毎週金曜日に新作をお届けしています。
お楽しみにしてくださいね♪
― こまちちゃんより🐇





